★ 優しい両手

その両手に緩慢に絞め殺されて行く

さて、死に届くまであと何cm？

★ 裏表

コインに裏表がないと、どちらが表かなんてわからないだろう

★ 真面目に不真面目

一瞬が永遠に続けばいいと、

そう願ったことが、何度あったことか。


だが、動かない時に感動はなく、

そんなものは蟹の入っていない蟹玉と同じだ。

人はそれを玉子焼きと呼ぶ。

つまり、それはそれで意味があるのかもしれない。

★ Run Run Run

何時だって

今だって

迷いながら進んでいる




未来に地図などなく

記されているのは過去の足跡

過去を言葉で舗装している奴らを尻目に

この青空の下で、息を切らせて走ろう




この先には何があるんだろう？

楽しいこと、嬉しいこと

そんなものがいっぱいだといいな

何があるかわからないけど

だからこそ人生は面白いんだよね




行き先に迷って

暗い未来が頭をよぎる

自分を追い越して行ってしまう人達を見送り

雨に打たれて疲れた僕は腰を下ろす




この先には何があるんだろう？

辛いこと、苦しいこと

そんなものばかりじゃなきゃいいな

何があるかわからないけど

楽しいことばかりの人生じゃないよね




絶望を越えた先に希望があると信じて

そろそろ重い腰を上げよう

希望がないなら作ればいい

闇しかないなら、

僕が光になればいい




迷いが晴れて

雨上がりを水しぶきあげて走って

見えてきたのは大きな海

道がないなら泳げばいい

大きな声出して、自分を奮い立たせよう




この先には何があるんだろう？

楽しいこと、嬉しいこと

そんな人生を作っていこう

何があるかわからないけど

だからこそ人生は面白いんだよね




何時だって

今だって

迷いながら進んでいる


旅路が終わった先で

「あぁ、楽しかった」って言えるように

★ 忘却欠片

ドラッグ アンド ドロップ、

ゴミ箱に、ポイ。

でも、それじゃあ記録容量は使ったまま。

ゴミ箱を空にしてdelete。


でも実は、

deleteされたデータはすぐには消えないって、知ってた？

あれはコンピュータが「この部分は白紙です」というデータを上書きしてるんだ。

これから書き込む記録のために。

だから、もしかしたら

スクラップになるその時まで、記録は1%位なら残っているのかもしれない。


ゴミ箱に入れられた過去を思い出と呼び、

deleteされた思い出を忘却欠片と呼ぶ。