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モノクロの世界

殺風景な小部屋に置かれた映写機

回りだす

回り終わった世界で回りだすリール

カタカタカタカタ

小部屋に鳴り響く音はリールが回る音のみ

■はその横で立ち尽くすも、レンズの映す映像に見入る

そこに映るのは一人の赤子

―――さて、これより御覧頂きますのは一人の人間の一生で御座います

スピーカーの無い部屋に響き渡る性別を感じさせない声


目まぐるしく変化していく映像

赤子は子供に

子供は青年に

青年は大人となり

やがて老衰していく



フィルムの最後は老人の死で締めくくられた


―――貴方はどれだけのことを為してきましたか?

―――貴方はどれだけの人に生を刻み付けましたか?

―――貴方はどれだけの罪を重ねましたか?

小部屋に響き渡る声






カラカラカラカラ

消えていった声の変わりに響くのは

空回りし続けるリールの回る音



やがて

カラン

リールが落ちる音が部屋に木霊する

そして再び落ちてくる声

―――さて、審判の時です。右の扉に進むか、左の扉に進むか、貴方が決めてください

声と共に現れる左右の扉

扉がどこに通じるかもわからない

右は天国

左は地獄、か

―――どちらを選んでも結果は同じです。どちらも同じ場所にしか通じていませんから

可笑しな話だ

それでは選択させる意味など無いではないか

―――貴方次第、ですよ


数瞬の思考の末、■は左の扉を選び

そして部屋には誰もいなくなった

―――さて、お客人が天国、地獄、どちらの世界に落ちたのか。それは私にもわかりません。いえ、もしかしたら始めからあの扉は現世へと通じていたのかもしれません。彼が望み、世界がそれを許したとき、彼は望み通りの世界へ行くことが出来る。さて、今宵はこれにて閉館とさせていただきます。明日のお客人がどの世界に落ちるかは、私にはわかりません。それでは、ごきげんよう......
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