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「あめあめ ふれふれ かぁさんが じゃのめでおむかいうれしいな ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ ランランルー」
少女は晴れの日にレインコートを着て踊っていた
それを見兼ねた男性は尋ねた
―――お嬢さん、お嬢さん。どうして晴れの日にレインコートを着ているんだい?
「私、雨の日が好きなの。お母さんと一緒に歩く雨の日が好きなの」
―――そう。でもお嬢さん、晴れの日にレインコートを着ても意味がないんじゃないかな?
「こうしていると、これを見た神様が降らせてくれるかもしれないわ」
―――降ると良いね
「うん」
そう言った少女の笑顔は輝いていた
だから
傘を持たない私も、雨が降ることを願っていた
そうすれば、少女は喜ぶだろう
たまには
雨に濡れて歩くのも悪くない
―――あぁ、そうそう
去り際に私は気になっていたことを口にした
―――君の歌った歌詞。間違っているよ
「知ってる。私、ハンバーガーも好きなの」
―――そう。道化師のおじさんによろしく
帰り際に寄ったマックを出た頃には、空からぽつぽつと雨が降り始めていた
きっと、あの少女は輝くような笑顔で母親と一緒に歩いているだろう
さて、雨に濡れて帰ろうか
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