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寒空の中で、ベンチに腰掛けて待っている
空からはしんしんと雪が降っていて、それが僕の肩に積もっていく
吐く息が白くて、コートの襟を立てた
かじかんだ手を暖めようと、コンビニで缶珈琲を買って
手を温めながら、美味くもないそれをちびちびと啜っていた
人を待つのが好きだ
誰かと会う前の、その時間が好きだ
早く会いたい、という気持ちよりも
会ったらどんなことを話そうか、とか、君はどんな表情をするのか、とか
そういう気持ちのほうが強い
待たされる側(いや、好んで待っているのだが)でなければこの気持ちは味わえないだろう
遅刻をするのは嫌いだ
この気持ちを味わう余裕もなく、ただただ目的地に急ぐことしか考えられないから
胸ポケットから煙草を出して、それを咥える
かじかんだ手で、ライターに火を灯そうとするが上手くいかず、何度目かの試みでようやく火がつく
ジジッ、という音と共に煙草に火が付いて、煙と共に白い息を吐き出す
その靄を目で追っていると、その向こうに君の姿が見えた
急いできたのだろうか?
彼女の口元からは頻繁に白い息が吐き出されている
急ぐ必要なんてなかったのに
肩の雪を払い、まだ長い煙草を消して彼女の元にゆっくりと歩いていく
時間に遅れたわけでもないのに君は謝って、それを宥めて二人で並んで歩く
手のかじかみは
ゆっくりと消えていった
―――writer natsukage
空からはしんしんと雪が降っていて、それが僕の肩に積もっていく
吐く息が白くて、コートの襟を立てた
かじかんだ手を暖めようと、コンビニで缶珈琲を買って
手を温めながら、美味くもないそれをちびちびと啜っていた
人を待つのが好きだ
誰かと会う前の、その時間が好きだ
早く会いたい、という気持ちよりも
会ったらどんなことを話そうか、とか、君はどんな表情をするのか、とか
そういう気持ちのほうが強い
待たされる側(いや、好んで待っているのだが)でなければこの気持ちは味わえないだろう
遅刻をするのは嫌いだ
この気持ちを味わう余裕もなく、ただただ目的地に急ぐことしか考えられないから
胸ポケットから煙草を出して、それを咥える
かじかんだ手で、ライターに火を灯そうとするが上手くいかず、何度目かの試みでようやく火がつく
ジジッ、という音と共に煙草に火が付いて、煙と共に白い息を吐き出す
その靄を目で追っていると、その向こうに君の姿が見えた
急いできたのだろうか?
彼女の口元からは頻繁に白い息が吐き出されている
急ぐ必要なんてなかったのに
肩の雪を払い、まだ長い煙草を消して彼女の元にゆっくりと歩いていく
時間に遅れたわけでもないのに君は謝って、それを宥めて二人で並んで歩く
手のかじかみは
ゆっくりと消えていった
―――writer natsukage
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