×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
一面を雪が覆いつくしていた
北に見えるのは並び立つ木々
北東に見えるのは赤い屋根の納屋
太陽が出ていないのに、何故俺は方角がわかるのだろうか?
―――あぁ、そうか
振り返ってみれば、そこには
青い屋根の家、青いドーム状の納屋、寂れた納屋、クリーム色の外壁の納屋
―――ここは、俺の実家か
幼い頃に兄弟で走り回った畑
冬の間は一面雪に覆われて、兄貴達とかまくらを作ったり、雪合戦をしたり
時間がたった今でも
兄貴達は兄貴達だ
血の繋がった、三人の兄弟
でも
でも、どうしてだろう
どうして俺は
親を親だと認識する時間が、半瞬遅れるのだろう?
冬になったら、トラクターで雪山を作ってくれた親父
外で遊び疲れた俺たちに、暖かい料理を作ってくれる母さん
いつからだ?
いつから俺は......
大学に入って、実家を離れてから?
いや、もっと前だ
高校時代に、勉強に集中して部屋に篭ってから?
いや、まだだ
つまらない事に腹を立てる親父
それに「いつものことだから」と言って、じっと耐える母さん
あぁ、それが日常になった時
俺は、親が親である前に、一人の人間であると気付かされて
いや、親である割合よりも、個人である割合が強いと気付いたときに
落胆した
親が親であるというのを当然の事と捉えるのは、きっと子供の我侭なんだと思う
個人であるよりも、親としての役割を全うすべきだとしたのも、子供と社会の我侭なんだと思う
それでも
それでも俺は、親に親であって欲しかった
そう、思ってたんだ
少し前までね
きっと、俺は今夢の中にいる
でなければ、雪の降る実家にいるわけがない
この足元では、春になれば作物を育てていく
毎日毎日
サラリーマンのように、当たり前の休みがあるわけじゃない
朝早くに外に出て、夜遅くに家に戻る
手はごつごつと硬く、泥に汚れていた、その手
収益は少なく、それでも俺たち兄弟を大学に行かせるために汗水たらして働いていた
俺たちが、実家から通えるような大学に行かなかったとしても、それがやりたことなら応援すると言ってくれた
兄弟の誰にも「実家を継いで欲しい」なんて言わなかった
それを間近で見てきて、どうして俺は考え付かなかったのだろうか?
この人たちは立派に親として存在しているということに
いつの間にか、雪は溶けていた
畑では大豆が、今か今かと芽を出すのを待っている
また、仕事の季節がやってきたんだろう
//
それを確認して、俺は夢から覚めた
じっとりと汗ばんだ体に触れ、そうして今が夏だと思い出した
北に見えるのは並び立つ木々
北東に見えるのは赤い屋根の納屋
太陽が出ていないのに、何故俺は方角がわかるのだろうか?
―――あぁ、そうか
振り返ってみれば、そこには
青い屋根の家、青いドーム状の納屋、寂れた納屋、クリーム色の外壁の納屋
―――ここは、俺の実家か
幼い頃に兄弟で走り回った畑
冬の間は一面雪に覆われて、兄貴達とかまくらを作ったり、雪合戦をしたり
時間がたった今でも
兄貴達は兄貴達だ
血の繋がった、三人の兄弟
でも
でも、どうしてだろう
どうして俺は
親を親だと認識する時間が、半瞬遅れるのだろう?
冬になったら、トラクターで雪山を作ってくれた親父
外で遊び疲れた俺たちに、暖かい料理を作ってくれる母さん
いつからだ?
いつから俺は......
大学に入って、実家を離れてから?
いや、もっと前だ
高校時代に、勉強に集中して部屋に篭ってから?
いや、まだだ
つまらない事に腹を立てる親父
それに「いつものことだから」と言って、じっと耐える母さん
あぁ、それが日常になった時
俺は、親が親である前に、一人の人間であると気付かされて
いや、親である割合よりも、個人である割合が強いと気付いたときに
落胆した
親が親であるというのを当然の事と捉えるのは、きっと子供の我侭なんだと思う
個人であるよりも、親としての役割を全うすべきだとしたのも、子供と社会の我侭なんだと思う
それでも
それでも俺は、親に親であって欲しかった
そう、思ってたんだ
少し前までね
きっと、俺は今夢の中にいる
でなければ、雪の降る実家にいるわけがない
この足元では、春になれば作物を育てていく
毎日毎日
サラリーマンのように、当たり前の休みがあるわけじゃない
朝早くに外に出て、夜遅くに家に戻る
手はごつごつと硬く、泥に汚れていた、その手
収益は少なく、それでも俺たち兄弟を大学に行かせるために汗水たらして働いていた
俺たちが、実家から通えるような大学に行かなかったとしても、それがやりたことなら応援すると言ってくれた
兄弟の誰にも「実家を継いで欲しい」なんて言わなかった
それを間近で見てきて、どうして俺は考え付かなかったのだろうか?
この人たちは立派に親として存在しているということに
いつの間にか、雪は溶けていた
畑では大豆が、今か今かと芽を出すのを待っている
また、仕事の季節がやってきたんだろう
//
それを確認して、俺は夢から覚めた
じっとりと汗ばんだ体に触れ、そうして今が夏だと思い出した
PR
君の為にとっておきの弾丸を用意しよう
でも、それは君の前では溶けてしまって用を為さない
だから、僕はすぐに新しい弾丸を用意する
解けた弾丸を目の前の君を想い再構築
再装填、そして......
その弾丸はきっと銀色だ
―――writer natsukage
Re.シリーズ
弾
Response to The Bullet
Relord to The Bullet
その弾丸は体内にとどまる
そしてまた来てしまう
次の弾丸を求めて
―――writer koyuki
吸血鬼とか
狼男とか
そんなものを倒せるような弾は持ってないけど
俺にはとっておきの弾がある
言の葉を乗せた弾丸
誰かの心に響くようにと願いを込めた
言霊
もう、どうしたらいいかわからない
そういう風に考えることがあると思う
誰かに相談すれば解決策は見えるかもしれない
それは正解というものに近いのかもしれない
それでも
自分で悩み抜いて選んだ道には敵わない
そういう風に考えることがあると思う
誰かに相談すれば解決策は見えるかもしれない
それは正解というものに近いのかもしれない
それでも
自分で悩み抜いて選んだ道には敵わない